立川談春師匠の『芸歴40周年記念興行』の9月の演目は「火事息子」「三軒長屋」
の予告だったんだけど、諸事情があり「火事息子」は10月に、そして今回は10月予告の「五貫裁き」となった。

元々「火事息子」はこれまでに数えるほどしか掛けておらず、談志師匠からは「復習っておけ」といわれたが、なんやかんやでさぼってたらしい。
今回掛けるにあたって復習うつもりが高座のダブルブッキング(これは談春師匠のやらかし)やら『赤めだか』を書くよう勧めてくれた福田和也さんの死去で文藝春秋から追悼文を依頼され(それも、原稿用紙5枚、締め切りは明日一杯)などがあって「10月にやります」となったらしい。
そういえば、談志師匠が亡くなったとき、談春師匠はほとんど語らなかったなぁ……と思っていたら文藝春秋の巻頭随筆に書いていて、それが2023年1月に刊行された『巻頭随筆 百年の百選』に選ばれていた、とのこと。
談春師匠以外にも「登場する人々」のメンバーが凄いので、ちょっと手を出してみようかな。
五貫裁き
賭場の使いっ走りだった八五郎は自分の人生をやり直すため八百屋を始めたいが元金はない。ということで大家に相談に行くと『奉加帳(カンパを募った記録帳)』をつくって回れと入れ知恵する。
八五郎は奉加帳を持ってケチで有名な質屋の徳力屋にいくが、あまりの小額に喧嘩となる。
それを聞いた大家が(大岡様ならきっと分かってくださる)と奉行所に訴え出ろとまた入れ知恵するが逆に『お金を粗末に扱った』として『五貫を、毎日一文ずつ、徳力屋経由で、奉行所に払え』というお沙汰。
(ちなみに1,000文が一貫なので五貫は5,000文、一日一文で完済するには約13年7ヶ月かかる)
この毎日一文ずつ、徳力屋経由というのがミソで、段々楽しくなってくる八五郎&大家対思ったより大変になっていく徳力屋とのやり取りが楽しい噺。
元々は大岡裁きの噺なのだが、『施しすぎた質屋は潰れ、八五郎は金を持って逃げた』という風に変えた談志のところに後日『徳力屋』のご子孫がいらして……と。
実際には『徳力本店』として今現在も営業中なんでいくら談志師匠でもその時はバツが悪かっただろうなぁ(笑)
三軒長屋
三軒長屋に住んでいるのは、両脇には大勢の若い衆を抱えた鳶の頭、同じく大勢の門弟がいる剣術道場、その間に越してきた高利貸しに囲われたお妾さん。
このお妾さん、毎日の騒動にとても暮らしていけないから引っ越したいと旦那に訴えるが、実はこの長屋、高利貸しが借金の担保に取っていて「もうすぐ自分のものになる。そうしたら鳶の頭と剣術の先生は引っ越しさせるから内緒にして待て」という。
ところがこの話が両方にバレて……という噺。
登場人物は男女合わせて多人数なので大変かもしれないが、うん、相変わらず見事に演じ分けて、底抜けに楽しい(笑)
年末から来年2月にかけての『玉響(たまゆら)』についても少々話されたが、今回は全回さだまさしさんとの共演。
これは前回以上にチケット争奪戦になること間違いなし。
でも……行きたいなぁ
