いよいよ最終話、『俺たちの圓朝を聴け! 第三日目』を聴いてきた。
前回同様、写真撮影タイムがあったが、今回は席がものすごっく良かったのとちゃんとデジカメを持っていったので、ほぼ望遠も使わずにこんな感じ(笑)
これまでの様子はこちら。
『俺たちの圓朝を聴け! 第一日目』を聴いてきた 09/02 - まっ、そんな感じ
『俺たちの圓朝を聴け! 第二日目』を聴いてきた 09/18 - まっ、そんな感じ
ごあいさつの中で、談春師匠がどのような意図で牡丹灯籠以外の演目を決めたか聞いて(なるほどなぁ。で、そこまで考えるのか!!)と思った次第。
一夜目『宮戸川』で男女の出会い、二夜目『のざらし』で幽霊との出会い、そして三夜目は『紙入れ』。
三三師匠からも「なぜ『紙入れ』?」があったが、談春師匠曰く「ニュートラルな状態から新三郎に出会って焦がれ死ぬくらい感情を振り切るお露。(ここで円グラフのように指先を振る師匠)
もし、二人が結ばれて夫婦として10年、20年経ったら、今度は(あくまでも)火遊びするくらい反対側に振り切れるのではないか」ということで選んだとのこと。
また談春師匠から「以前販売していたCD/DVDは絶版にした」と驚きの発言。
どうやらご本人は出来に不満だったらしい。
で、今日は撮影が入っていたし、この演目三日分は映像化されるのかな。ちょっと期待。
(できれば「ごあいさつ」も入れて欲しい(笑))
まずは三三師匠で『お峰殺し』
酌女のお国に入れ揚げている伴蔵を責め、別れるとまで言うお峰。
その場はなんとかやり過ごした翌日、近隣のお祭りに二人で出かけてお峰をちやほやした後、追い剥ぎに見せかけてお峰を殺す。
そういえば、私が以前に聴いた三三師匠は結構愉快なものが多くて、今回のような凄みのある噺は聞いたことがなかった。
淡々とした口調なのに『男の狂気』が感じられた。
そして談春師匠で『関口屋のゆすり』
ところが、お峰の亡霊が使用人の口を借りて伴蔵の悪事をバラし始め、医者を呼びに行かせるとやってきたのはなんとそもそもの元凶 山本志丈。
山本志丈からお国と宮邊源次郎が逃げてた理由を聞いた伴蔵は山本志丈と手を組み、ゆすりに来た宮邊源次郎を逆に脅し返す。
そして、二人が江戸に戻って埋めた仏像を掘り出そうとしたところで捕方に囲まれてご用となる。
伴蔵の中にある仁侠な面が良く出ていた。やっぱり談春師匠の『ワル』は見ごたえ/聴きごたえがある。
そういえばごあいさつの中でも三三師匠は談春師匠をさまざまな表現で『ヤバい人』扱いしてたなっ(笑)
また、二人とも刹那的な生き方をしているのに元凶の山本志丈は常に飄々とした風で伴蔵との違いをうまく演じていた。
他の演目
紙入れ:談春師匠
出入りの商家で旦那持ちのおかみさんと関係を続けている貸本屋の新吉。
ある日「旦那が留守をするから来てね」との文をもらい、旦那にバレることを脅えながら床を共にしていると急に旦那が帰ってきてアタフタ。
逃げ出した途中でおかみさんの文が入ったままの旦那にもらった紙入れを忘れてきたことに気付き、翌朝バレたかどうかビクビクしながら行ってみると……。
まあこのおかみさんのこういう場面に慣れた様子や文の最後に「うふっ♥(←いや、文には絶対ハートマークがついてる!!)」とかウインクとか。
談春師匠の演じる女性はかっこいい人が多いけど、こういう『おキャン』な女性もまたかわいい(笑)
粗忽の釘:三三
新居に引っ越してホウキをかける釘を打って欲しいと頼まれた粗忽者の亭主。ところがこの亭主、とにかく落ち着きのない粗忽者。
女房にやいのやいの云われて苛立った揚げ句、打った釘は瓦を止める九寸釘(約27cm)。それを柱ではなく壁に打ち込んでしまう。
女房から「きっと隣に出てしまったろうから謝ってこい」と云われた亭主は最初、路地を挟んだ向かいの家に。とにかく話が合わず、やっと違う家に来たと気付いた亭主は隣の家に。
ここでもまったく関係のない自分たちが結婚した経緯を延々と話し、その後本来の用件「釘がでていないか」と告げて探し始めると、なんと釘がでていたのは……。
始終、虚勢を張った気弱な亭主と云う感じ。もう少し『大工っぽさ』があってもいいかも。
来年、談春師匠は芸歴40周年ということでひと月2回の1年かけて40演目を話す記念興行をすることを一生懸命に宣伝していた。
いや、宣伝しなくてもチケット争奪戦になると思うなっ。
全部は行けないだろうけど、お財布と相談しながら出来るだけ行きたい。