まっ、そんな感じ

見聞きしたことを徒然と書いてます。

自主管理から管理会社委託へ 03/07

当マンションはわずか12戸。
当初は販売会社の子会社に管理委託していたが、初年度の決算説明で修繕積立金まで使われていたことが発覚。そこからはずっと自主管理だった。
(昔はそんなこともできたが、今の法律では「使い込み」はできないようになっている)

自主管理の内容

一番管理に熱心な女性が理事長で金銭管理・総会運営などほぼすべてを担当。
複数の賃貸物件を持っている男性が副理事で簡単な修繕や機器を使った清掃・植栽の枝切りなどを担当、他の住人は年ごとに回ってくる会計監査を担当。
小遣い稼ぎしたがった近所の老人にゴミ出しと清掃をお願いしていた。

やがて老人はかなりの高齢となり、マンションのゴミ置き場から20mほど先の集積所に持っていくのにも休み休みとなり、感謝とともにお辞めいただき、副理事が変わってくださることに。

防犯ビデオの設置や大規模修繕内容などは幸いその方面に詳しい方が持ち主さんにいらしたので都度相談。
大規模修繕は3回目も済ませ、管理費を遅延する方もおらず、堅実にやってきたが先のことを考えて約30年ぶりにマンション管理会社に委託することにした。

委託することになった経緯

理由その1:副理事の入院

ある日突然、ゴミ出し・清掃を担ってくれている副理事が約1ヶ月程度の入院としばらくの通院が必要と聞かされた。
そうして思ったのが、

  • よくよく考えればもうあの方も後期高齢者なのだ
  • ゴミ出しをどうするか

ということ。(週一回程度の共用分掃き掃除なら自分でもできる)

分かった時点でシルバー人材センターやそれに類する業者に登録。
しかし業者からは「マンションのゴミ出しへの応募はかなり少ないですよ」と言われ、事実応募はなく。
副理事は友人の方に頼んでくれていたが、それも数ヶ月の有期。

理由その2:所有者の高齢化と居住者の減少

始めのうちは半数だった所有者で居住者は現在3戸。
1名は後期高齢者、残りの私ともう一人(二人とも定年過ぎ)で管理組合を運営していた。

本当は持ち回りだったが自主管理開始のときには若かった現後期高齢者は当初から「できないわぁ〜」とする気はまったくなく、もう一人は嘱託だがフルタイム勤務で「協力はできるけど理事は無理」
同じくフルタイムだけど比較的時間に余裕のある私がこの2年、理事長をしていた。

理由その3:ネットが使えない人多数

Webを使ったサービスをまともに使えるのは私とフルタイム勤務者のみ。
このコロナ禍、総会にZoomを使ったリモート会議も提案したが、私たち以外はパソコンやスマホを操作できないはおろか、コンピュータがない/インターネット回線がない、などで、メールでやり取りできるのも数名だった。

総会に必要な会計や銀行口座チェックなどはWebサービスに切り替えてずいぶん楽になったはずなのに、他の人が理事長になったらこれらの便利なサービスも使えず、またExcelあるいは紙と電卓に戻ると考えたら、私が理事のうちに委託するしかないと決意。

理由その4:法人格でない管理組合にどこも融資はしてくれない

今回の大規模修繕工事の見積もりは想定金額を大きく上回り、貯めていた金額で全部は賄えない。

そこで、まず調べたのが旧住宅金融公庫、現在の住宅金融支援機構
まあ住宅金融支援機構の融資条件がエベレストのごとく高い。
きちんとしていても自主管理ではまず申請すら無理。

つぎにゆうちょ銀行。
じつは前回も小額だが借り入れを行った過去があるので、今回も……と聞いてみたら「制度が変わって法人格ではないマンションの管理組合には融資できなくなった」とのこと。

最後に口座のある信用金庫。
ここも「このようなケースは初めて。管理組合は法人格ではないので組合員全員が保証人になっていただかないと融資できない」とのこと。

きちんと自主管理しているのにメンテナンスされずに老朽化するマンションが増えている原因の一つは、これら制度の問題もあるのではないだろうか。

しかたないので本当に必要な足場を組んでの屋上防水と外壁清掃・塗装などに限定し、やっと工事にこぎ着けた。(数年先でも大丈夫な工事は費用が貯まった時点で実施予定)

さらに、次の大規模修繕工事にむけて修繕費の値上げ。(管理費は値上げなし)
値上げ額は今回の初回見積もり金額+今回できず数年後に実施する費用を計算し、10〜12年後に総額が貯まるようにした。(多分それでも足りないのだろうなぁ……)

管理会社に見積もり依頼

現在の管理費から定期的な出費(共用分の電気・水道代や保険代など)と突発的な事項に対応するための予備費を引いた残りで予算を立て、マンション管理業組合所属の中堅処のレビューの良いマンション管理会社数社に見積もりを依頼。

ほとんどが「その金額では……」とお断りメールが来る中、実際に当マンションを見に来て見積もりをくれた2社は内容に大きな違いはなく、安い方の会社と委託契約を締結した。

今後の計画

  • 誰が理事長になっても管理組合を運営できるようにすること。
    とりあえず過去の総会議事録、工事記録、図面などを整理・PDF化している。
    あと、なにがどこにあり、理事長交代時にどうするかなどの書面を作っている。
  • 住宅金融支援機構から融資を受けられるよう書類などを調えること。
    10〜12年後にどのくらい値上げするかは分からないが、次に修繕費が不足した際は住宅金融支援機構からの融資が受けられるようにしておくこと。
    運営が安定したら管理会社と管理規約を改訂・整備し、長期修繕計画の作成から始めなければ。

とにかく、今回管理会社に委託できてホッと一息ついている。